2022年07月10日

木材と刃物

現在、商品に使用している木材の種類は、針葉樹1種類と広葉樹9種類?。

もくロックを始めた当初は

「カエデ」・「サクラ」・「ホオノキ」・「カバ」・「シデ」の5種類からのスタートでした。

今回は、初期に使用していた5種類の木材の切削の際に困っていた時の話になります。

(※当時弊社としての木工は初めての経験で何も知らなかったのはご留意下さい。)

もくロックは無垢材を切削して形をつくっている為、刃物の消耗具合が、普段の精度維持に繋がります。

一般的なイメージでは、硬い方が刃物の消耗が激しいような風に思えてしまうのですが、5種類の中で一番柔らかいホオノキの刃物の消耗が激しく、他の木材の半分以下しか持たない事に悩んでいました。

刃物のメーカーやコーティングを変えてみたりと、色々やってみるものの消耗具合はさほど変わらず、初期の刃物の2倍・3倍の価格のものを使ってもさほど・・・。

そんな時に、地元の工業試験場さんへ相談に伺い分析してもらう事になり、刃物と木材の試験片からでてきた考察は、

★刃先の拡大写真から1μの 摩耗傷があるので何か硬い物が樹木に存在するかもしれない。

★ホオノキの材料分析から硬度8相当と思われる50μ以下の小さい粒が穴の内側に存在しホオノキのケイ素の値が高い(下図、木口面のオレンジ色に光っている部分)

150倍

750倍

そのせいで断続切削になり負荷が高いのでは?

という事でした。

当時、一番柔らかいホオノキの穴の内側にケイ素の塊が存在し、断続切削になっているだなんて思ってもみませんでした。

その後、調べてみるとケイ素を多く含む木材は他にも複数存在し、そういう木材は刃持ちが悪いとの文献を見つけ、調べるって大事だなと思った瞬間でもあり、

当時「異業種から木工へ参入する会社は木材加工を甘くみている所が多い」と忠告受けた事を思いだし、木工屋さんはこういう事も熟知しているのか?と、木工屋さんを見る目が変わったのでした。

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