2022年05月30日

「すべてが手作業」染物職人のこだわり ― 山形屋染物店(米沢市)

 もくロックのギフトセットに入っている、草花が描かれた風呂敷。
  実はこちら、もくロックのふるさと・山形県米沢市で明治以前から営む老舗、山形屋染物店さんで作られています。

 今回は、風呂敷がどのように作られているのか、実際に取材しました。

 風呂敷だけでなくハッピやのれん(・・・)など、多岐にわたる製品をつくる山形屋染物店さん。
 こだわりは、何と言ってもすべて手作業であることです。

 現代では、プリントで染色する技術もあるにもかかわらず、あえて手作業にこだわる理由。
 それは、熟練した技だからこそ出せる鮮やかさと味わいです。

 手間をかけて出来上がる美しい風呂敷が、どのように作られているのか。
 行程をご紹介します。



1|型づくり

 染物にはいくつかの染め方がありますが、風呂敷で使われる技法は捺染(なっせん)というもの。

 捺染とは、色ごと分けて切り抜いた型をつくり、1色ずつ染め上げるというものです。

 捺染の最初の作業である型づくりは、少しのズレが染物の完成に大きく影響する、繊細さが求められる行程です。

 型づくりは大きく2行程。

 はじめに、風呂敷の模様のふちに沿って、ニス原紙(黄色の紙)をデザインカッターで切ります。

 そして、ニス原紙をシルクスクリーン(黒い木枠の網)に乗せ、アイロンを当てて貼り付けます。

 この作業を1色ずつ行い、型は完成。

 もくロックの風呂敷の型はすでに完成していたのですが、型の原画を拝見しました。

 すべての縁を手で切り取るのは、本当に骨の折れる作業です。



2|捺染

 1色ごとの型ができあがれば、いよいよ染色です。

 はじめに、染料を用意します。 様々な色に対応するため、染料をグラム単位で配合しています。

 色がすべてそろったら、実際に染色する作業です。

 専用の台に1枚の布を広げて、1度で何枚もの風呂敷を作り上げます。

 まず布の上に型を置き、染料を流します。

 そして大きなヘラを使い、ムラなく綺麗に染め上げます。

 これを繰り返し、深緑色の染色が完了。

 同じように黄緑色とピンクの染色もします。

 3色とも綺麗に染めて、染色が完了です。



3|乾燥

 布を染め終えると、次は乾かす作業です。

 専用の道具で布をはさみ、2人で同時に持ち上げて、真上へつるし上げます。

 乾燥する時間は、天気や気温によって左右しますが、暖かく晴れた日であれば日中の3~4時間ほどで乾くということでした。


4|縫製・完成

 乾燥し終わった布は、サイズごとに切り分けて縫製(ほうせい)
 風呂敷の場合は、4辺の端を縫います。

 そうして、製品として完成します。




まとめ

 型づくりから染色、乾燥、縫製と、1つ1つ丁寧に手作業で製品をつくる山形屋染物店さん。

 職人技が込められた手ぬぐいを、手に取っていただけたら嬉しいです。

●山形屋染物店さんの情報

 住所・山形県米沢市門東町2-2-6
 電話・0238-23-1908
 HP・yamagata-some.com

 今回ご紹介した風呂敷以外にも、さまざまな染物製品のオーダーを受けています。

●オリジナル風呂敷

 もくロック公式サイトで販売しています。

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